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表計算ソフト

 このページでは表計算ソフトを用いて統計処理をする方法を説明します。高校の情報A,Cでは表計算ソフトウェアの使い方を教えることになっており、多くの高校ではMicrosoft Excel(以下、Excelと呼ぶ)を教えているようですので、ここでもExcelを使うことにします。ただし、情報の授業でExcelの基本的な使い方は教わっているものとし、ここでは説明を省いています。

 ところで、学習指導要領を参照すると、「統計についての基本的な概念を理解し,身近な資料を表計算用のソフトウェアなどを利用して整理・分析し,資料の傾向を的確にとらえることができるようにする。」とあり、数学の統計とコンピュータで表計算ソフトを扱うことになっています。しかし、河合塾やZ会のセンター模試では出題されたことがあるものの、みなさんが目標とするセンター試験の数学UBでは表計算ソフトに関する問題が一度も出題されたことがありません。(注1)そのため、このページはおまけ的な位置づけとなっています。

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[例] 次のデータが与えられたとき、変数における平均値、分散、標準偏差、共分散、相関係数をそれぞれExcelを用いて求めます。

平均値 Mean

・関数を使わない方法

 原始的な方法ではありますが、わたしたちが計算するようにそれぞれの値の和を足し算で求め、要素数5で割ることで平均値を計算することができます。このためには、セルB7に =(B2+B3+B4+B5+B6)/5 という式を入力すればよいでしょう。

・合計値を求める関数SUMを使う方法


 関数SUMを使うことで、合計値を求めることができます。セルB2からB6までの値の合計値を計算するには SUM(B2:B6) とします。このように、複数の連続したセルをセミコロンを用いて表記することができます。ちなみに、SUM(B2,B3,B4,B5,B6) のようにカンマを用いて要素を列挙することもできますが、これは要素数が多くなるほどたいへんなので、連続したセルに対してはセミコロンを用いた表記を使うのが一般的です。

 補足として、要素数を求める関数COUNTを紹介します。例えば、COUNT(B2:B6) とすると、B2,B3,B4,B5,B6の計5つの要素を引数(注2)にとっているため、関数が返す値(注3)は5になります。

・平均値を求める関数AVERAGEを使う方法

 実は、平均値を求める関数AVERAGEというものがあり、これを使えば一発で平均値を計算することができます。

分散 Variance

・分散を求める関数VARP

標準偏差 Standard Deviation

・平方根(Square Root)を求める関数SQRTを使う方法

・標準偏差を求める関数STDEVPを使う方法

共分散 Covariance

共分散を求める関数COVARを使う方法

相関係数 Correlation Coefficient

・相関係数を求める関数CORREL

2次関数のグラフ

 これまで数学で学習した連続関数のグラフもExcelで簡単にかくことができます。例えば、下のグラフは(ブルー),(マゼンタ),(イエロー),(シアン)の4つの2次関数のグラフ(放物線)を同じ座標軸上にかいたものです。

 では、このグラフはどのようにかいているのでしょうか。下のスクリーンショットはこのグラフをかくために用いたExcelシートの一部です。

関数のグラフを初めてかくとき、あなたはこれまでどうしてきたでしょうか。おそらく、の値を少しずつ変化させながら複数の点を座標軸上にとり、それを眺めグラフの概形を予想したと思います。

実は、ここでも同じことをやっています。の値を等間隔でとり、それに対するの値を順番に計算していき、それを折れ線グラフにしているだけです。点をとる間隔が狭いため、折れ線グラフが見かけ上滑らかな曲線に見えます。

式を1つ1つ順番に入力している方にアドバイス。セルB2の式(=A2^2)をセルB3へコピーすると(=A3^2)と式が参照するセルもずれるため、式の入力はB2,C2,D2,E2の計4回だけで済みますよ。

注1

平成19年時点

注2

コンピュータの世界では、関数に渡される(代入される)値のことを引数(ひきすう)と呼びます。数学に置き換えて説明すると、は変数を引数にとる関数です。

注3

 関数が返す値とは、関数の計算結果のことです。数学に置き換えて説明すると、関数を代入したとき、となります。この場合、6がこの関数の返す値です。


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